トゥシューズはいつからはけるの?
これからバレエを始められるにあたって、いつかトウシューズで踊りたいという方も多いと思います。
なかにはバレエをはじめて数ヶ月ではくことを許可される先生もいらっしゃいますが、えのバレエではコンスタントに平均週に一回以上通われてから一年以上としています。なぜならトゥシューズをはいて立つには、ある程度バレエ特有の身体の使い方を、頭と身体で知っている必要があるからです。
トゥシューズでしっかり立つには、身体(とくにお腹や背中)を天井に引き上げる力と脚の裏の強さが必要となります。その力を鍛えるには単なる腹筋や脚の裏トレーニングだけでどうにかなるのではなく、クラシックバレエの正しいレッスンを通して鍛えられていきます。もしそれらが全然出来ていない状態でトゥシューズをはくとシューズの硬さに脚が負けてしまい、膝が曲がりつま先で床を押すことも難しくなります。
ソールのも脚の裏に馴染まず、床に対して斜めに立つことになるため、体重は足指のつま先の甲側にすべてがかかり、痛みや指の皮がむけて血が出るなどのトラブルになりやすくなります。また、バーを離したとたんに立てなくなることが多く、けがのリスクが高まります。
逆にある程度バレエの身体ができていると、トゥシューズではいた際に床を垂直にしっかり押せるので気持ちの良い感覚になります。
最初はどのトゥシューズをはいたらいいの?
バレエショップに行くとびっくりする位いろんなメーカーや種類のトゥシューズが並んでいますよね。
皆さんどうやって自分の脚に合うシューズを探しているのでしょうか。
バレエシューズの先やソール(靴底の部分)は体重を支えるために固く作られているのですが、その中でも初めてはかれる際には比較的柔らかく脚に馴染みやすいものが良いと思います。
私がトゥシューズ初心者の方に個人的におすすめしているのがチャコットの「ベロネーゼⅡ」です。こちらは柔らかめでとても脚に馴染みやすく、柔らかいのにしっかり立てて長持ちしやすいです。また、シルビアのチェリーやネオチェリー、マイセシオンなどもおすすめです。ただしこれらのシューズでも脚の形や強さによっては合わない場合もありますので、しっかり試着してから購入されてくださいね。
これらの柔らかめのシューズに慣れて徐々に脚が強くなるにつれ、好まれるシューズも変わってくるかと思います。
トウシューズも上記の日本製のほかアメリカ製やフランス製・ロシア製など、海外製品も多種にわたります。私はここ10年以上、グリシコのマヤⅠというものをはいています。グリシコはロシアのメーカーでとても硬くて脚に馴染ませるのが少し大変なのですが、甲が出やすく立った時の脚のラインが綺麗に見えるように思います。
それぞれのシューズによって癖が全然違いますので、プロの方だと踊りによって変える方もいらっしゃいます。
こうやって書いてみると、トゥシューズはとても奥の深い履き物ですね。
トゥシューズと痛みについて
トウシューズは絶対に痛いはきものなのでしょうか?バレリーナの方たちは壮絶な痛みに耐えながら涼しい顔で踊っているの?
初めてトウシューズを履かれる方はつま先部分とソールの硬さに驚かれることが多いのではないでしょうか。
①でも挙げていますが、バレエの身体ができていない状態でトゥシューズをはかれた場合、バレエ特有の天上に引き上げる力が弱いことが多く、そうなると全体重はつま先の甲側にかかります。そうなると指の皮がむけてひどい時には靴擦れで血が出たりしてバンドエイドやテープを巻いても激痛と戦うことになります。
私自身、プロフィールにあります斜めに立っていたときは、この血豆や痛みとの戦いでした。しかし、正しいバレエを理論的に教わるようになってからは体重を支える場所が土踏まずに変わるとこの痛みからは解放され、テープ無用でトゥパッド一つさえあれば楽に気持ちよくトウシューズで立てるようになります。アートバレエ難波津の先輩の中でめちゃくちゃバレエの筋力の強い方の中には、トゥパッドすら不用で薄いスポンジテープを一重するだけの方もいらっしゃいました。それを見たとき、バレエの筋力がいかに大切かということを思い知ったように思います。
また、脚にちゃんとフィットしていないシューズを選んでも脚指に靴擦れのような血豆ができることもあります。